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【朝礼ネタ】「人一倍」という言葉に違和感を覚えたこと、ありませんか?
今回の朝礼ネタは「人一倍」。人一倍頑張れ! と言われて、
人の一倍だったら、頑張らなくてもいいんじゃね?と屁理屈をこねた、または内心でそう思ったご経験、
ありませんか?
「倍返しだ!」が
流行語大賞を受賞した半沢直樹も、「一倍返しだ!」では、
「何だ?何にも返ってこないのか?」と思われてしまいそうです。
なお、「人一倍」を辞書で引くと
『普通の人以上であること』と書いてあります。
この意味を見て「普通の人以上」=「普通の人同等もしくは上」⇒『「人一倍」には「普通の人同等」も含まれる』と強引に解釈し、前述の屁理屈を通す人もいるかもしれません。
ですが、「人一倍」の「一倍」はそういう問題ではないです。
「人一倍」の由来
そもそも「倍」という言葉。
日本では、江戸時代以前においては東洋数学の定義が用いられてきた(例えば、「一倍」とは今日で言うところの2倍に該当する。また同じく「半倍」とは、今日で言うところの1.5倍に該当する)が、近代以後に西洋数字が用いられるようになるとその意味合いも変化して、今日のように乗法を指すようになった。
明治8年(1875年)の太政官布告『自今公文中総テ計算上
一倍ノ呼称ヲ止メ、従前ノ諸規則等ニ一倍ト有之分ハ二倍ト改正候条、此旨布告候事但譬バ原金一円ノ二倍ハ二円、十倍ハ十円ト計算候儀ト可心得候事』により、こうした「従前の一倍表示」が禁止されたと言われています。
要するに、今後「一倍」という呼称を止め、これまでの「一倍」(東洋数学的解釈)は、「2倍」(西洋数学的解釈)として解釈しなさい。とのお達しがあったというわけです。
この、東洋数学と西洋数学で「倍」に対する解釈が異なっていたことが、「人一倍」の解釈を混乱させた原因の1つなわけですが、その解釈の違いを「自然数 m の n 倍」と言ったケースで見てみると…
東洋…(いずれも 0 でない)自然数 m と n に対して、m に同一量m を n 個分加えた数(「m×(n+1)」を求める)。
西洋…(いずれも 0 でない)自然数 m と n に対して、m を n 個分加えた数(「m×n」を求める、即ち乗法である)。
【 同じくウィキペディア「倍」より 】
少々分かりづらいので、試しに、 m と n を、ともに 1 として計算してみると、同じ「 n 倍」でも、東洋数学では「1倍」が2倍、西洋数学では「1倍」が1倍となります( m と n に同じ数字を用いることが正しいかどうかは別問題として)。
・・・
由来には異説もあるようですが、詰まるところ、有力説として
「人一倍」という表現は、東洋数学時代の名残と言われています。
とは言え、屁理屈を言う相手に、いちいち↑を説明するのも現実的ではありませんので、どうしても屁理屈を返されるのが嫌な場合は、
「人一倍頑張れ!」でなく、
「人の倍頑張れ!」と言ってあげてください。
「人一倍」だけじゃない。間違い・勘違いだらけの日本語
先日、某番組内で「今でしょっ!」の林先生が「とんでもない」について触れていました。
一般的に誤用とされる「とんでもございません」が今では容認されているとかいないとか。
◆
「とんでもございません」「とんでもありません」実は正解!?この言葉もよく問題になります。
◆
一生懸命と一所懸命の違い 正しく説明できますか?◆
全然の使い方 「全然+肯定=誤用」は実は迷信!?まとめてご覧頂くにはこちら。クイズ感覚でどうぞ。
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似ているようで違う言葉 ~誤用多発の「〇〇と〇〇の違いまとめ」~◆
「間違った意味で使われる言葉」「言い間違いされる言葉」 第1位は?朝礼ネタ・会話ネタとしての「人一倍」
職場で屁理屈のせめぎ合いをしても仕方がありませんので、「人一倍」の由来についてはサラッと触れる程度とし、「正しい言葉づかい」あたりに話題を展開していきたいところです。
“よく「人一倍頑張れ!」なんて言いますけど、「人の一倍だったら同じじゃないの?」なんて屁理屈をこねられそうになるわけですが、この「人一倍の一倍」は昔の日本語で「二倍」を表していたそうなんですね。詳しくは割愛しますが、こうした普段何気なく使っている言葉の語源や由来なんかも、ちょっと調べてみると意外に面白い発見があったりするものです。
さて、接客業を営む我々にとって、こうした言葉づかいや使う言葉そのものは、正に生命線と言えると思います。若者言葉だったり、二重敬語だったり、みなさんは大丈夫でしょうか?
例えば、先日見かけたこんな接客のやりとり… ”といった感じで、日頃気になった会話や接客風景を切り取って、朝礼ネタに。
・・・
若者言葉で思い出した言葉を1つ。
あなたは「本当に?」のことを会話上、何と言いますか?
1「まじ?」 2「まじで?」 3「まじか?」 4「まじでか?」・・・
1・2は中高年、3は若者、4は不明、とどこかで読んだ記憶があります。
ただし、人一倍「まじか?」を連発してみたところで、若者扱いはされませんのでご了承ください。
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