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スピーチは上手く話そうとするから失敗する
どうして人前だとあがってしまうのか
乗っけから「
実は誰も聞いてません」は失礼しました。
正確には、「実は誰も『たいして』聞いてません」が、現実に近いのではないでしょうか?
ところが、人前で話すとなると、そこにいる全員が一人残らず、こちらの話を一字一句を真剣に聞いているような感覚に陥ります。そして・・・
「上手く話さないと」「失敗したらどうしよう」という思いが、自分の意思とは反し、無意識の内にブクブクと膨れ上がり、気付いたらガチガチに緊張しているといった具合です。お心当たりありませんか。
この現象、本番に弱いスポーツ選手の心理にとてもよく似ています。
身近な話をひとつ。
例えば、家族や友人の前で、普通に話す時・・・
「失敗したらどうしよう?」って考えたこと、ありますか?
どんな関係でしょうか、それ?
本番に弱いスポーツ選手やスピーチ本番が迫ると極度に緊張してしまう人の多くは、
自分が「試合」や「本番」の主役であるという自意識が高ぶり過ぎている傾向があります。
「試合」や「本番」に向け自意識を高めること自体は、決して悪いことではないのですが、周囲が全く見えなくなるほど自意識が高ぶると、完全に平常心を失います。つまり、普段出来るはずのことが、出来なくなります。
・・・
さあ、朝礼スピーチ。今日はあなたの当番。つまり「話す側」です。
みんなこっちを向いてます。怖いです。
やばいです。心臓がバクバクいい始めました。さて翌週、あなたが当番じゃない日、つまり「聞く側」です。そんなに真剣に聞いてます?スピーチする人の話。ひょっとすると、上の女の子に近い態度でスピーチが終わるのを待ってたりしませんか?
同じ朝礼でも、自分がスピーチする時は極度に緊張し、聞き手の時は至って平常心。要するに、緊張の原因は「朝礼そのもの」ではなく、「過剰な自意識」です。必要以上に、自分自身を「絶対に失敗が許されない主役」にしてしまっているわけです。そんな意識が高まれば高まるほど、誰だって緊張してしまいます。よね?
改めて、家族や友人と他愛もない会話を楽しむ時は、「主役」も「脇役」もありません。ある意味皆が「主役」ですし、皆が「脇役」です。そこに緊張は無用です。
同じ「試合」や「スピーチ」でも、自分だけを「主役」と思い込むのではなく、観衆や聴衆を含めて自分も一人の「参加者」と位置付けることで、幾分かの緊張は和らぐはずです。「試合」も「スピーチ」もあなた一人では成立しませんからね。
この、開き直りにも似た心構えが、実は大いに役立ちますので、ぜひ頭の片隅にしまっておいてください。
・・・
「
実は誰も聞いてません」と言えば、もうひとつ。小中学校の時の校長先生の話、思い出してみてください。
朝礼で校長先生の話を聞いたこと自体や、貧血で倒れる子がいたりと、その情景は思い出せても、話の内容を思い出せる人。
いません、おそらく。
それでも失敗を恐れるあなたに、この言葉を贈ります。イギリスの文学者サミュエル・ジョンソンの名言です。
今から一年も経てば、私の現在の悩みなど、およそくだらないものに見えることだろう。
聴衆をかぼちゃだと思え!? ~ 実は誰も聞いてない(そんなには)~
あなたがよほどの有名人や芸能人でもない限り、誰も真剣に聞いてません。と聞けば、少しは緊張がほぐれますでしょうか。
聴衆をかぼちゃだと思え!と、言われることもよくありますが、これはさすがに飛躍しすぎた助言。ある程度スピーチ慣れしている人の無責任発言とも言えます。ですが、これには一理あります。
“聴衆をかぼちゃだと思え!”の一言でスピーチに対するあがりが解消できるのなら、誰も苦労しませんが、やはり
良い意味での自己暗示は非常に大切です。
少々余談となりますが、頭の中で・・・
「あがるな!自分はあがってなんかないぞ!」
「緊張するな!自分は緊張なんてしてないぞ!」
このタイプの自己暗示は、実は逆効果になることも。
「あがるな」や「緊張するな」という否定形の言葉をイメージしても、脳内では、「あがる」「緊張」という単語の持つ印象ばかりを強く認識してしまい、余計にその感情をあおってしまうことが多いんだとか。ですので・・・
「楽勝!楽勝!」
「全然大丈夫!」
といったポジティブな単語をイメージし、むしろ開き直るくらいの自己暗示の方が効果が高いと言われています。
“聴衆をかぼちゃだと思え!”もある種、開き直りのためのポジティブな?自己暗示。
ただ、暗示が強すぎて聴衆全員をかぼちゃに見立ててスピーチを続けてしまうと、うなずいて聞いてくれている人や、笑顔の人など「スピーチの際の大事な味方」まで見落としかねません。
聴衆がかぼちゃに見えたら、次は、“色つやの良い美味しそうなかぼちゃを探す”くらいのゆとりが持てるとベストかもしれません。
まずはこうした、
ちょっとした気の持ちようでスピーチに対する考え方が180度変わるということを認識することが、とても大事です。
次は、スピーチ・話し方トレーニング2 ~なんちゃって「あがり症」~ です。
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今ご覧頂きました『【あがり症克服】スピーチ・話し方トレーニング1 ~実は誰も聞いてません~』が、お役に立ちましたら、ぜひシェアをお願いします。
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初めまして!ブログ拝見しました。
私もあがり症で、人前で発表したりするときはたまに噛んでしまったり、色々恥ずかしい経験があります。でも、ブログを拝見したら、何だかうまく話せるような気になってきました。ネタも充実してて素晴らしいですね!スピーチする前は、拝見するようにしますね!
応援ぽち!
にゃんこさん
とても励みになるコメントありがとうございます。
にゃんこさんのブログ、早速おじゃまさせて頂きました。
会社での朝礼はご卒業?されたようで^^
にゃんこさんのブログに綴られている…
>いやー、背伸びしたって無理なんですよ、って最近は思います。
心底共感です。思えば私も、背伸びして失敗しまくりました。
身の丈の自覚って、思いのほか大切ですね。
>でもがむしゃらに勉強してます。
>たくさんの新しい人に出会って学んでます。
とても前向きな姿勢に、ただただ頭が下がります。
反面、当方、気まぐれな更新で恐縮ですが、にゃんこさんがこれから出会う「たくさんの新しい人」の前でのスピーチにお役立て頂けると、とても光栄です。
お互い環境は異なりますが、それぞれの持ち場でぜひ頑張っていきましょー!
今後とも宜しくお願いいたします。
店長さん!
たくさん返信いただきまして、感激です。
私もこれからスピーチする場面に出くわす可能性大です。
聴衆をかぼちゃだと思うことにしますね☆
にゃんこさん
わざわざご返信頂き恐縮です。
とても嬉しかったです。
さて、“聴衆をかぼちゃだと思え!”
この一言だけでスピーチに対するあがりが解消できるのなら、誰も苦労しませんが、記事内でも触れさせて頂きました通り、やはり良い意味での自己暗示は非常に大切ですよね。
にゃんこさんもお忙しいと思いますので、ご返信には及びません。
その分、お互い、記事更新に精を出しましょう!
改めまして、ありがとうございました。
こんばんは。
五平太ともうします。
私は営業マンをやっているのですが
毎日の朝礼で
順番に、成功例、失敗例を
みんなの前で発表しないといけないの
ですが
「そんなに毎日、成功や失敗があるかよ!」
と
こんな、朝礼を始めた社長に
言いたいです。
「実は誰も聞いてません」は
たしかにそうだよね!
と強く賛成です^^
はっきりいって
成功例を話しても
営業以外
まったく聞いていません。
まあ、セクションが違うので
しょうがないと言えば
しょうがないんですが
話す方は
テンションさがりますね。
このスピーチネタは
大変、助かります。
他の営業にも
教えます!
困った時に
本当に助かります。
ありがとうございます。
応援しながら帰ります。
五平太さん
貴重な実体験コメント、ありがとうございます。
共感しながら読ませて頂きました。
>「そんなに毎日、成功や失敗があるかよ!」
心底同意です。
成功例を話せば「調子に乗るな!」と去勢され、失敗例を話せば「朝からネガティブな話はやめとけ!」と詰められ…
そんな理不尽上司の下で長い年月を耐え抜いた経験があるものですから、おかげで、図太い神経と適度な人間不信が養われた管理人です^^
・・・
五平太さんのブログ、早速おじゃま&応援いたしました。
トップページにいる女の子、かわいすぎますね。
あんなかわいい顔で「クリックしてね」は卑怯です^^
アバターにも五平太さんのお人柄がにじみ出ていらっしゃるようで。
ぜひ、その爽やかな笑顔で、引き続き、朝礼も乗り切ってください^^
>このスピーチネタは 大変、助かります。
>他の営業にも 教えます!
他の営業の方とネタがかぶらないよう、精一杯更新に励んで参ります。
今後とも、宜しくお願いいたします。