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あなたのスピーチ 誰も聞いてない方が楽ですか?
人は、他人のミスや失敗が大好きです。
例えば、いつも退屈な話ばかり。しかも長い。そんな印象の「とある校長先生の話」。話し方も、いつも同じ感じ。あくまで「印象」です。“校長先生”を“上司”に置き換えても構いません。
もしもですよ、その校長先生や上司がスピーチの最中に、突然話に詰まって絶句したり、支離滅裂なこと言い出したりしたらどうでしょう?
かなり印象に残りますね、おそらくずっと。つまり・・・
普段、努力して原稿を丸暗記している人や、棒読みのようなスピーチをしてる人ほど、失敗した時に聞き手に与える印象はことのほか大きくなります。反面、そういうタイプの人が自分なりに成功したと思えるスピーチを無事に行えたとしても、その内容は、ほとんど誰も覚えていません。
これ、最悪ですね。
一方で、
「とある話が上手な先生(または先輩・上司)」。
結構覚えてたりするものです。むしろ、毎回の話が面白いが故に、ちょっとした失敗など、誰の記憶にも残りません。で、その話が上手な人。毎回毎回、原稿作って話してると思いますか?棒読みのような話し方ですか?
もう、お分かりですね。
誰も聞いてくれないようなスピーチで、その場を繕ってしまうことの危険性。たとえそれが、努力して丸暗記したスピーチだったとしても・・・
危険性や労力だけが高く、成功しても何ら評価されないスピーチ。それが、
原稿丸暗記スピーチの正体です。
スピーチの教育を受けていない日本
学校でスピーチを教わった経験、ありますでしょうか?ほとんどの方が「ない」だと思います。
だから、原稿丸暗記でスピーチに臨む人が後を絶たないのかもしれません。何でもかんでも「詰込み型」が良しとされる傾向が強い日本の教育。インプットばかりでアウトプットしない。
改めて、
日本では「言いたいことを整理する訓練」つまり「スピーチを勉強する」という機会が少ないというのが、スピーチ嫌い・苦手の原因と言われています。なお、アメリカやイギリスでは、幼い頃から、スピーチやディベートという形式での教育が行われているそうです。何となくわかりますね。
実際、日本の義務教育で教わった「国語」の授業で、スピーチが達者になるとは考えづらく、これは、英単語をいっぱい覚えても、英語を喋れる人が一向に増えないのと同じと言えそうです。
結果として、義務教育時代に身に付く「スピーチ力」は、部活動や生徒会活動など「授業以外」の自発的な活動によって磨かれることが多いため、個人差が極めて大きくなるというわけですね。
インプットが大好きな日本人 アウトプットしないと…
インプットしただけで、知識を習得したものと錯覚しがちな日本の教育。アウトプットして初めてインプットした知識が自分の糧となるという大事なことが、随分と抜け落ちています。
ここでいうアウトプットとは、試験のために一夜漬けで詰め込んだ記憶を、試験当日に答案用紙に書き写すこととはちょっと違います。
この場合のアウトプットは、アウトプットした瞬間に記憶から消去されてしまいませんか?中間テストや期末テストはそこそこ高得点。でも、抜き打ち的な実力テストになるとサッパリ。そんなタイプです。
正しいアウトプットというのは、覚えたものを単に吐き出すだけのことを言うのではなく、覚えたものを活用、応用することなんですね。身近なところで、よく中学生あたりがこんなことを言いますね。「因数分解なんて社会に出ても使わねーよ。」みたいな。
・・・
「だったら、お前が今欲しがってるあのゲーム。社会に出たら必要ないから買わなくていーな。」と瞬時に切り返せるお父さんも素敵ですが、子供の言い訳は無尽蔵です。
で、たしかに社会に出てから、因数分解を解かなければならないシチュエーションはなかなか訪れません。せいぜいクイズ番組くらい。
だからと言って、因数分解は世の中に必要ないか。と聞かれて真剣にイエスと答える大人は少ないと思います。要するに、考える力だったり、物事の原理原則だったりを、そこから学ぶわけですよね。
でも、子供のうちはそれが分からない。
アウトプット=単なる記憶力テストになってしまっていて、応用力が養われない。だから「因数分解なんて社会に出ても使わねーよ。」なんですね。日本の教育制度上、ある意味、仕方がない部分ですね。しかし、そんな屁理屈の塊のような中学生でも、部活動に真剣に打ち込んでいるようなら、授業では教わることのない「大切な何か」をインプットできているはずです。
部活動に夢中になった経験、ありますでしょうか?
部活動の目的。何だと思います?あるいは何でした?
部員全員が、その競技のプロを目指していると思いますか?よほどの強豪校でもない限りはそれはあり得ません。でも実際・・・
部活動で学んだことや築いた友情が、社会に出て役に立ってる人はきっと多いはずです。それこそが、身近で感じることのできる、正しいインプットとアウトプットだと思います。・・・
翻って、スピーチも同じ。
いくら難しい単語や漢字や文法を覚えて、日本語のスペシャリストになっても、スピーチは全くの別物。
部活動に基礎トレーニングや反復練習が不可欠なのと同様、やはりスピーチにおいても「場数」「経験」は絶対必要です。これは残念ながら譲れません。なぜなら、スピーチは、今まで手に入れた知識だけで完成させられないからです。
一方、場数を踏むと言っても・・・
純然たる「スピーチ」だけで場数をこなそうとするのは、普段、全く練習をしないで、毎回試合に臨むようなもので、少々無謀です。
だからこそ、場数を踏むため、スピーチ以外の場面でも、普段からアウトプットを意識することがとても重要になってきます。
例えば、何気ない友人との会話や、上司への報告など、日常の何気ない会話の中にも、スピーチの練習要素が驚くほどに詰まっています。
「伝える」と「伝わる」の違いに気付くと世界が広がる
「伝える」と「伝わる」の違いここに、注目してみてください。日常、友人との会話では伝わる内容でも、いざ上司との会話となると伝わらない。よくあると思います。では、その違いが何なのか。そこに意識が向けられるようになると・・・
「伝えるスピーチ」と「伝わるスピーチ」ちょっと理屈っぽい話ですが、とても重要です。次は、いよいよ最後。スピーチ・話し方トレーニング6 ~スピーチはネタと○○があれば大丈夫~ です。
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