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スピーチは「ネタ」と「○○」があれば、もう大丈夫!
ピクチャートークってご存知ですか?
ここまでご覧頂きまして、ありがとうございます。「スピーチ・話し方トレーニング」最後のページです。
早速ですが、このページのタイトルにある「スピーチはネタと○○があれば大丈夫」の○○には何が入ると思いますでしょうか?(2文字というわけではありません)
この「○○」は、スピーチにおいても日常会話においても、とても大切な要素。この要素を説明するために、まずは1つの事例として次の「男性」と「女性」をご覧ください。二人はそれぞれ「愛犬」と「時計」について説明をしています。
「男性の話だから」「女性の話だから」といった感情的な部分は度外視し、双方の「説明内容のみ」を単純に見比べてみてください。
二人が「愛犬」の説明をしています
うちには真っ白い毛むくじゃらのマルチーズがいます。
マルっていう男の子で体重は4キロ。いつもしっぽフリフリして、ちっちゃくて、めちゃくちゃかわいいんです~
まず、男性の説明は、日本語覚えたての外国の方ですか?と言われても仕方がないくらい淡白な説明。どんな大きさ・色・特徴の犬なのか、全くイメージできません。聞き手としても、「ふーん」くらいの反応が精一杯。
一方、女性の説明。説明を聞きながら、あなたの頭の中で真っ白で毛むくじゃらの小さなワンちゃんが、こっちを向いてしっぽフリフリしてませんか?
二人が「時計」の説明をしています
長方形の茶色い時計です。数字が赤の珍しい時計です。
タテ50センチ・ヨコ20センチくらい、外枠が白に近い木目調の壁掛け時計です。薄いグレーの文字盤に赤い数字と、珍しい色使いですが、真っ白い針が意外に映える、とても特徴的なデザインの時計です。
まず男性の説明。「犬の説明」に比べると、多少ですが「珍しい」と感情が入りました。しかし、腕時計なのか、置き時計なのか、掛け時計なのか、はたまたアナログかデジタルかさえ、相変わらずさっぱりです。
一方の女性は、外側から絵を描くように順番に解説していき、さりげなく個人の感想を交えながら、「聞き手がイメージしやすい説明」を心掛けています。
極端な比較ではありましたが、もうお分かりの通り「女性の話」が、
ピクチャートークです。
なお、このピクチャートーク。身振り手振りを加えながら行うことで、効果がさらに飛躍的にアップすることは、言うまでもありませんね。
普段「スピーチや会話が上手いなぁ」と感じるあの人もきっと、ピクチャートークを無意識の内に取り入れているはずです。今度話す機会、聞く機会があった際は、あの人の「話す内容」だけでなく、ぜひ『話し方』や『伝え方』に意識を傾けてみてください。
大切なのは「ピクチャートーク」という言葉を知っているかどうかではなく、スピーチや会話の際に「相手に伝えたい」という気持ちがしっかりと込められているかどうかです。
話し手の「省略」が、聞き手の「混乱」の原因
誰しも、
「自分が当たり前のように知っていることは、相手も知っているだろう」と思いがちです。しかし「相手も知っているだろう」を前提に勝手に会話を続けていくと、結果として、あなたの話の内容の所々に「省略」が生まれます。
この「省略」が非常に厄介で、話が独り善がりになりがちな人ほど、自分では気付きづらい部分。そして、知らず知らずのうちに、あなたの説明やスピーチが、聞き手にとって意味不明化していきます。
言うまでもありませんが、「当たり前」や「常識」には大きな個人差があります。「丁寧な説明」と「バカ丁寧な説明」のさじ加減が難しい場面もあるかと思いますが、「話の独り善がり」を自覚されている方は、一度敢えて「バカ丁寧」に近いくらいの説明を意識してみることで、これまでいかに大事な部分まで「省略」してしまっていたかに気付けるかもしれません。
話のどこを「省略」すると意味不明化してしまうのかは、話す相手によっても異なってくるものですが、次に紹介する「ジョハリの窓」という考え方を知っておくと、何となく頭の中が整理された気分になれると思います。
「ジョハリの窓(ジョハリの4つの窓)」とは?
コミュニケーションにおける自分と他人との関係を分類化・図式化したものに、心理学者が提唱した「
ジョハリの窓」と呼ばれる考え方があります。
Ⅰ |
開放の窓 |
自分にも他人にも分かっていること。 |
Ⅱ |
盲目の窓 |
自分は分かっていないが、他人には分かっていること。 |
Ⅲ |
秘密の窓 |
自分は分かっているが、他人には分かっていないこと。 |
Ⅳ |
未知の窓 |
自分にも他人にも分かっていないこと。 |
この表「ジョハリの窓」からも分かる通り、相手との会話の中、途中で省略しても伝わるのは、Ⅰの部分だけです。そして、ⅡとⅣはあなたの知らない世界で自ら話せるはずのない領域。
つまり、Ⅲの話題や説明(前述の「愛犬」や「時計」)を省略して話してしまうことで、意味不明なスピーチ・説明が出来上がってしまうというわけですね。
ちなみに余談ですが、「ジョハリ」とは、発表した心理学者のジョセフ氏とハリー氏2人の名前を組み合わせたものだそう。「ジョハリ」という人物はいませんので念のため。詳しくは ⇒
ジョハリの窓(ウィキペディア)
スピーチや会話の「立体化」~身振り手振り・感情表現の重要性~
す ご い か わ い い で す 。(微動だにせず棒読み)
めちゃくちゃかわいいんすよっ。(大声+満面の笑みで)
前者は、聞いている方が心配になります。後者は、発言者が暑苦しいおっちゃんなのか若くて綺麗な女の子なのかによっても随分と印象は変わると思いますが、少なくとも気持ちは伝わりますね。おそらく、スピーチや会話が苦手な人ほど、限りなく前者に近いはずです。
一般に、感情のこもっていない言葉は、相手の耳には届きますが、心にまでは届きません。一方で、「伝えたい」という強い気持ちは、その気持ちが強ければ強いほど、言葉以外にも自然と表れます。つまり、全身で「伝える」ことにより、相手の心に「伝わる」わけですね。
相手の心に届かせるための身振り・手振りや笑顔。これが、スピーチや会話の「立体化」というわけです。あなたのすぐ身近にもいますよ、実践者が。
一所懸命頭を下げながら、満面の笑顔で電話している営業マン。きっと彼(彼女)は、お客様の前でもそうしているはず。ですよね。
さて「スピーチはネタと○○があれば大丈夫」の「○○」は?
改めて、このページのタイトル「スピーチはネタと○○があれば大丈夫」の「○○」に入る言葉。
それは、
「伝えたいという気持ち」です。
スピーチの内容は、ネタが決まれば半分完成。そのネタを「みんなに伝えたいという気持ち」が加われば、残りの半分が完成といった具合です。
少々強引なまとめに見えてしまう方もいるかもしれませんが、「来週のスピーチ当番やだなぁ」と時間だけが無駄に過ぎていくより、「おっ、この話みんなに伝えたら喜んでもらえるかも」などと当日の朝礼を想像しながら、ネタ探しに時間を割いた方がいいに決まってますよね。
・・・
さて、『あがり症克服 スピーチ・話し方トレーニング』は、もう少しだけ「続き」がありますが、“一旦”ここで終了です。
自分のあがり症が、気の持ちよう1つで改善できる「なんちゃってあがり症」だと気付けた方は、大きな前進です。また、原稿依存症の方も、その危険性を頭の片隅に置いて頂ければ、きっとどこかで役に立つと思います。
いずれにしましても、当記事をお読み頂き、少しでも気を楽に持って頂けたようであれば、こんなに嬉しいことはありません。改めて、ご精読ありがとうございました。
ありがとうございました。引き続き「ネタ探し」にお役立てくださいませ。
ここから下の「続き」は、「あっ、オレのことだ!」「もしかして、あたし?」と思われた、“あなたのみ”が対象の内容です。
「なんちゃってあがり症」と「深刻なあがり症」は全くの別物ですので、「深刻な“あなた”」はお時間の許す限り、もう少しお付き合いください。
「なんちゃってあがり症」では済まされない、もっと深刻な“あなた”へ
あがり症はあがり症でも、日常生活に支障を来たしてしまうほどの極度のあがり症には、
SAD(社会不安障害・社交不安障害)という病名が付けられています。
この、極度のあがり症である「SAD(社会不安障害・社交不安障害)」と「なんちゃってあがり症」を見誤ると、ますます症状を悪化させたり、不安を増幅させてしまう可能性があります。
こうした「深刻なあがり症」でお悩みの“あなた”に、引き続きこちらの記事が参考になれば幸いです。
「極度のあがり症」「SAD(社交不安障害・社会不安障害)」を真剣に改善・克服したいあなたへ(当サイト内記事)
ある程度の緊張・あがりは克服出来た。出来ればもっとスピーチ力を上げたい、磨きたい!そんな前向きな“あなた”におすすめします。
スピーチについて、もっと深く学んでみたいという意欲的な“あなた”へ
本日ご覧頂きました「あがり症克服 スピーチ・話し方トレーニング」。「あがり症克服」とあります通り、軽度のあがり症の方やスピーチに対する苦手意識の強い方向けの内容に終始して参りました。
あがり症の方にとってみれば、「ガチガチだった」が「あがらなくなった」だけで天と地ほどの差だと思います。ただ、向上心の強い意欲的な“あなた”には、少々物足りない内容だったかもしれません。
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1つでも気になる項目があるようでしたら、ぜひ、こちらの記事を参考になさってみてください。
スピーチの達人になれる方法(当サイト内記事)
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【あがり症克服】話し方トレーニング1~6
一気に拝読させていただきました。
激しく同意、大笑いしながら。(自分の経験(失敗)を思い出し)
今後の取り組み(新たなスピーチの機会)に向けて大変参考になり、心強く感じました。
何より「よし、今度は大丈夫カモ!?」僅かではありますが、自信(期待?)を持つ事も出来ました。
簡単な言葉ではありますが「心より感謝しています」
今後もこちらのサイトが益々充実され、たくさんの方々に役立てて欲しいと祈っています。
ありがとうございました。
masayochiさん
貴重なコメントありがとうございます。
ただただ恐縮です。
>自分の経験(失敗)を思い出し
嫌なことを思い出させてしまってすみませんでした。
スピーチに対する苦手意識の十中八九は、この「トラウマ」から来るそうですね。
「トラウマ」が、スピーチのたびに嫌な思い出として脳裏に蘇るだけの存在である限り、おそらく一生、ヤツの思う壺。
「トラウマ」→「失敗」→「失敗は成功の何とか」くらい、開き直ることが、大事なのかもしれませんね。
この「トラウマ」とどう向き合い、どう付き合っていくか。
ここが正しく理解できると「トラウマ」が敵から味方に変化していく。
そんな感じがしています。