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スピーチには原稿でなくメモを用意する
「原稿に頼るな=事前準備しない」とは違います
前のページでご紹介した「完璧な事前準備=完璧な原稿作りではない」を勘違いして、
「じゃあ、ぶっつけ本番。当たって砕けろ!」ってことだな。
・・・
言うまでもなく、これは無謀。きっと見事に砕けます。大きな勘違いをして臨んだそのスピーチは、おそらくあなた史上に残る、伝説のスピーチとなるでしょう。
スピーチを原稿に頼りすぎた場合の話し方の欠点
- 「話し言葉」と「原稿」は根本的に言葉づかいが異なる。
- 間違って話を飛ばしてしまった時に流れを変えられない。
- 読み飛ばしならともかく、完全に真っ白になってしまった時に修復不能に陥る。
- 「話す」でなく「読む」に近いので、感情がこもらない。
- 相手の反応が見えない。見ようとしない。
- 一度原稿に頼りすぎると、以降、原稿がないと不安になり、一向にスピーチが上達しない。
つまり・・・
原稿は、そのまま読み上げると、スピーチとしてはかなり不自然で無機質なもの。です。
ちょっとした助詞や接続詞も、会話調のそれとは大きく異なり、結果として、聞いている人に、「この人、原稿丸暗記スピーチだな」と見事に伝わります。
例えば、「そして」という言葉。文章としてはよく用いられますが、会話ではどうでしょう?あまり使わないことに気付くと思います。
これを原稿内に多用、そのまま丸暗記した頭の中身を、はい再生。
・・・
この「そして」の部分でスピーチがつまづいてしまうと、丸暗記した人は、他の言葉に代用することもままならず、その後の流れもおかしなことになります。
「そして」とか「だから」とか「つまり」とか、
その場で何とでも置き換えられそうな言葉にまで「記憶力」を消費してしまってるわけですね。
もちろん、原稿がしっかりと記憶され、そこに感情移入まで出来たスピーチなら完璧です。ですが、私たち素人の場合、丸暗記だけで精一杯。そこに感情移入となると、それこそ頭から湯気が出ます。
原稿丸暗記で臨んで「ど忘れ」した時の恐ろしさ。これは、
前のページでお話した通りでしたね。
スピーチの頼れる相棒 ~「メモ」以上「原稿」未満~
原稿を完璧に作ることを否定するわけではありませんが、欠点が多いことは前述の通りです。そこで、「メモ」がとっても大切になってきます。
スピーチの要点やキーワードが、話す順番に沿って箇条書きされたメモ。このメモが、いい仕事をします。スピーチの頼れる相棒です。
とは言え、簡単すぎても難しすぎても相棒としては相性がよくないわけで・・・
1~2個のキーワードを殴り書きしただけの、覚えた方が早そうなメモ。
▲これでスピーチを難なく乗り切れる方は、そもそもこのページには辿りついていないでしょう。
10~20個ものキーワードを満載した、まるで漢文かのようなメモ。
▲これは、原稿と変わりません。いや、原稿よりたちが悪いかもしれない。ですので・・・
「メモ」以上「原稿」未満の、あなただけの『特製虎の巻』。
▲こいつが、スピーチの場であなたの相棒として大いに活躍してくれます。
スピーチの構成は「つかみ・切り出し」「本題・展開」「結び・オチ」
文章作成の基本構成はよく、起承転結と言われますが、作文とスピーチは似て非なるもの。作文は読み返せますし書き直せます。キーワードも目に留まります。
一方、スピーチはその場限りの一発勝負。長ければすごいというものでもありませんよね。昔から言われているそうです。
スピーチとスカートは短い方がいい。と・・・
確かにいい。私もそう思う。
スピーチの構成が複雑であればあるほど、聞き手は理解出来なくなります。下手すると話し手自身も話の途中で訳が分からなくなったりします。
聞き手にレジメや資料を配布して行うセミナーや講演会でなく、朝礼や結婚式でのスピーチであれば、簡潔に要点が伝わる方が好まれるに決まっています。
もう一度言います。○○と○○は短い方がいい。もう覚えましたね。こういう頭に入りやすいキーワードを『特製虎の巻』に残せれば、いい感じです。
話を戻して、文章の基本構成「起承転結」。
大きく話を4つに分けるわけですから、ある程度ボリュームのある話になりますね。しかも「転」の部分で、全く別の話題をもってくるとなると、その時点で、聞いている方が「起」や「承」で話した内容を覚えてくれているかどうか・・・
だから、1つ削って3つ。起承転結から「転」を抜いた形が、聞き手に伝わりやすい「スピーチの基本形」。
- 「つかみ(切り出し)」
- 「本題(展開)」
- 「結び(オチ)」
1つのテーマに沿って話が進むので、聞いている方も要点が把握しやすいわけですね。これが、スピーチの大切な相棒である「特製虎の巻」を作る上で、大事な考え方になります。
ただ・・・
相手の反応あってこそのスピーチ
原稿に頼りすぎる欠点の1つに「相手の反応が見えない」とありましたね。
スピーチは、「話し手」と「聞き手」の両方がいなくては成立しません。これを無視した「話し手」の独り善がりのスピーチは、「いわゆる校長先生の長話」。誰も聞いてない。誰も覚えていない。
(世の校長先生、すみません。あくまで比喩です。)ひょっとしてあなたは、
「誰も聞いてない方が楽」って思いませんでしたか、今。それは危険信号です。なぜか?
次のページでお話します。
次は、スピーチ・話し方トレーニング5 ~人は他人のミスや失敗が大好き~ です。
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