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【朝礼ネタ】「指示待ち人間」の改善法 危険な盲点とは?
今回の朝礼ネタは「指示待ち人間」。唐突ですが「指示待ち人間」の反対(対義語)は?
と尋ねられたら、あなたは何と答えるでしょうか?
・・・
1つの答えとして「自発(自主)的人間」が挙げられます。
この
「指示待ち人間」と
「自発的人間」。
新人から中堅社員まで、近年、指示待ち社員ばかりが目立ち、自ら動いてくれる自発的社員が思うように育たず、何とか改善出来ないものかと日々悩まれている上司の方も多いと思います。
ですが、
自発的人間ばかりを望むと、実は意外な危険が伴います。
「指示待ち人間=ネガティブ」と決めつけるのは危険!?
冒頭、「指示待ち人間」の対義語として「自発的人間」を挙げましたが、このことに違和感を覚えなかった方は、まさに
「指示待ち人間=ネガティブ」「自発的人間=ポジティブ」という単純な見方で部下を評価してしまっている可能性が高いので注意が必要です。
ここで仮に、
「指示待ち人間」の対義語を「指示通り動かない人間」としてみます。
すると、
「指示待ち人間」⇒「指示通りに動いてくれる人間」⇒「従順な部下」と、「指示待ち人間」がポジティブな印象に変化しませんか?
つまり、
必ずしも「自発的人間=ポジティブ」とは限らず、逆に「自発的人間」=「指示してないことを自分勝手にやる人間」と解釈すれば、むしろ自発的人間の方がネガティブ要因含みの人材に成り下がります。
「優秀な指示待ち人間」と「最悪な指示待ち人間」の違いは?
突然ですが、こんな褒め言葉、聞いたことありますでしょうか?
「○○(部下の名前)は、まさしく指示待ち人間の鏡だな!」
「どうやったら、○○みたいな立派な指示待ち人間になれるのか教えてくれよ!」・・・
イヤミにしか聞こえませんね。
やはり
「指示待ち人間」という言葉自体は、単独で見るとネガティブな印象を与えがちです。
しかしながら、
「指示待ち人間」という言葉自体の持つイメージがネガティブでも、その「指示」自体の内容によっては解釈が大きく変わってきます。
例えば「指示」が「前人未到の売上目標の達成」だったとすれば、その指示を指示通りにやってのけた部下は超優秀な人材。指示待ち人間などと呼ぶには失礼にあたる逸材です。
一方で、服装や身だしなみ、挨拶や言葉使いなど、日常のアレコレから細かな業務の進め方まで、自主的に学ぶ姿勢に欠け、「指示」というより「注意」ばかりを受けている部下。これが「絵に描いた指示待ち人間」といったところでしょうか。
つまり、同じ「指示待ち人間」でも一括りに扱うことには少々無理がありそうというわけです。
「指示待ち人間」が悪いのではなく「指示する人間」が悪い!?
指示待ち人間も、自発的人間も、どちらも極端すぎると問題があることはお分かり頂けたと思います。
そこで重要になってくるのが「ルール」。例えば、サッカー。
サッカーのルールを全く知らない人に、
「このボールをあのゴールにたくさん入れた方が勝ち」ということだけを教えて、さあ、キックオフ!
さて、どうなるでしょう?
・・・
いきなりボールを手に抱えゴールに向かって全速力でダッシュ!
ラグビーさながら、敵選手をなぎ倒しながらゴールへまっしぐら!となるかもしれません。
実際にはボールを手に抱えた時点で普通に笛が鳴りますが、「笛がなったらプレイ中断というルール」も当然彼は知りません。ひたすらゴールへ向かいます。そう、
教わった「ルール通り」に。
・・・
スポーツにはルールが存在し、それを皆が守るからこそ、試合が成立します。当たり前のことですが、これが「スポーツ」でなく「仕事」になると、つい見落としがち。
会社のルールを逸脱して、自分なりのやり方で仕事を進めてしまったこと、ありませんか?または、周囲にそういう人、いませんか?
「仕事」を「試合」に置き換えてみてください。その、ルールを逸脱した方法で得た成果は、果たして試合でいうところの「得点」として認められるでしょうか?
少々強引な例えですが、
指示待ち人間の良し悪しの問題以上に、指示自体がいかに重要であるかを示した一例でした。
・・・
つまり、仕事においては、最低限のルールや理念を日頃からしっかりと伝え、これらを逸脱しない範囲の自発的行動は積極的に認めるようにすることが重要になってくると言えそうです。
この「ルールの徹底」を日々しっかりと行った上で目標を共有しないと、「目標さえ達成できれば、何でもOK」となりかねないというわけです。
優秀な人材にこそ指示が必要なケース ~身近な改善例~
ここに、毎月目標達成を続ける優秀な営業マンが2人(A君とB君)います。
2人の直属の上司である課長は、2人の活躍に大変ご満悦の様子。
しかし、更に上長の部長が2人をこのように分析。そして指示。
◇先月の実績 A君は20社の見込客から10社受注し、売上100万円
B君は50社の見込客から10社受注し、売上100万円
◇部長の分析 A君は見込客は少ないが、受注率が高い
B君は見込客は多いが、受注率が低い
◇部長の「指示」 A君に対しては、アプローチ件数アップ
B君に対しては、クロージング商談力強化
◇結果 A君・B君ともに更なる成長!
課長は係長に降格…
極端な事例ではありますが、このケースの場合、
A君・B君は決して指示待ち人間ではありません。しかしながら「指示が不要な人間」ではありません。
優秀だからこそ、まだまだ「伸びしろ」が期待できるわけです。
むしろ、このケースの場合の一番の指示待ち人間は、現状に対する改善意識のない課長に他ならない、というわけですね。
【朝礼ネタ】ボトルネックの「見える化」 ~営業マンA君とB君の違い~(参考記事)
朝礼ネタ・会話ネタとしての「指示待ち人間」
指示待ち人間の話題に関連して、朝礼や職場での会話に活用できそうなネタをいくつかご紹介します。お時間があれば、ぜひ参考になさってみてください。
▼指示待ち人間の改善特効薬の1つに「コーチング」というものがあります。よく耳にする「カウンセリング」と似ていますが、大きな違いとして挙げられるのが『「○める」と「●める」の違い』。○と●はそれぞれ漢字1文字が入ります。
【朝礼ネタ】コーチングとは? ~3分で分かるカウンセリングとの違い~▼見方1つで状況が一変することを例えた「靴の営業マンの話」は、ご存知の方も多いと思います。「指示待ち人間」も見方1つで明日から大きく評価が変わるかもしれません。
【朝礼ネタ】パラダイムシフトとは? ~靴の営業マンの話など(スピーチ実例つき)~▼「まったく最近の若者はっ!」が口癖のおじさん世代は要注意です。間違いなく「最近のオヤジは」と思われています。
【朝礼ネタ】「最近の若者」って何歳のこと? ~O2O時代の主役たち~さて、
指示待ち人間と自発的人間。改めて、あなたはどちらでしょうか?
・・・
日常、好きなことや得意なことには自発的になれますし、嫌なことや苦手なことはつい指示待ちになりがちなものです。ですので、「どちらでもない!」が、おそらく正直な答えではないでしょうか。これはあなただけでなく、あなたの部下だって同じはず。
だからこそ、自分自身や部下に対し
「指示待ち=ネガティブ」「自発的=ポジティブ」などと決めつけるのではなく、まずは「好きなこと・得意なこと」「嫌いなこと・苦手なこと」をそれぞれ改めて把握し、「嫌いないこと・苦手なこと」をいかに克服するかに焦点をあてる(あてさせる)よう意識してみてください。
そうすれば自然と、「指示待ち」「自発的」などにとらわれず、
正真正銘なポジティブ人間として周囲から必要とされる機会が増えてくるはずです。
と、言うは易しですね。自戒を込めて。
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