読了までの目安時間:約
6分
【朝礼ネタ】ノーベル平和賞の候補にもなったムヒカ大統領のスピーチ
今回の朝礼ネタは「ムヒカ大統領のスピーチ」。2016年4月、元ウルグアイ大統領のムヒカ氏(第40代、2010年3月~2015年2月在任)の来日が実現しました。ムヒカ氏の来日に多くのメディアが呼応したこともあり、テレビ等で見かけた方も多いと思います。
「世界で最も貧しい大統領」とも呼ばれ、数々の名言・名スピーチを残しているムヒカ氏。
中でも、2012年にブラジル・リオで開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」でのスピーチは、全世界からの賞賛を集め、ノーベル平和賞の候補にもその名が挙がりました。
ご覧になった方も多いかもしれませんが、まずはその「伝説のスピーチ」をご覧ください(約10分)。
ムヒカ元大統領「伝説のスピーチ」 ~日本語字幕付き動画~
YouTube上でも多くの動画がアップされている「ムヒカ氏のスピーチ」。字幕だけでなく、ぜひ、表情・話し方・声のトーンにもご注目ください。
・・・
主観で恐縮ですが、心に残ったフレーズを改めて抜粋します。
1:12~
質問をさせてください
ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるでしょうか
同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億~80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?
可能ですか?
4:10~
私たちは発展するために生まれてきているわけではありません
幸せになるためにこの地球にやってきたのです
5:23~
10万時間持つ電球を作れるのに1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです
そんな永く持つ電気はマーケットに良くないので作ってはいけないのです
人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです
悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか
9:02~
発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです
発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません
温厚な風貌で登壇。スピーチが進むにつれ、徐々に鋭い眼差しに変化。眉間にしわを寄せ、時に拳を振り回し、心強く聴衆に訴えかける、ムヒカ元大統領。
一方で、さらされている「世界の現実」に対し、時折見せる物憂げな表情。終始見入ってしまう、心に刺さるスピーチです。
時代背景に翻弄され、十数年に渡る収監生活も経験しているムヒカ元大統領。「自分には家と畑があるから」と、大統領公邸には住まず、郊外の農場で生活。そして、報酬の殆どを寄付。愛車は年季の入ったフォルクスワーゲン(ビートル)。この大統領の愛車に対し、富豪から高値での買取希望があるも「友人から貰った物だから、売れば友人を傷つけることになる」と断固拒否。「質素」「謙虚」を地で行く暮らしぶりのムヒカ氏。
ムヒカ氏は、
「世界で一番貧しい大統領」として知られている「世界で一番豊かな心を持った大統領」と言えるのかもしれません。そんなムヒカ氏を、ウルグアイの人々は親しみを込めて「ペペ」と呼ぶそうです。
お子さんに胸を張って読んであげられる素敵な絵本です。
朝礼ネタ・会話ネタとしての「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」
今回ご紹介したムヒカ氏のスピーチは、今世界の置かれている状況への問題提起であり、問題の解決策を示す内容ではありません。聞く人それぞれの立場によっても、その聞き入れ方は大きく異なるかもしれません。しかし、この問題提起が多くの国の首脳陣に対し、これまで分かりながらも目を背けていたことに、新たな気付きを与えたことは間違いありません。
ムヒカ氏のスピーチに触れ、2つの名言を思い出しました。
「解決策がわからないのではない。問題がわかっていないのだ。」
「最後まで下されない決断は間違った決断より劣る」前者はイギリスの作家、ギルバート・ケイス・チェスタートン、後者は世界的なビジネスコンサルタント、ブライアン・トレーシーの言葉です。
・・・
2011年10月に56歳の若さでこの世を去った、アップル社の創設者スティーブ・ジョブズ氏が残してくれた「伝説のスピーチ」。お時間があればぜひ合わせてご覧ください。
【朝礼ネタ】スティーブ・ジョブズ「伝説のスピーチ」とは? ~この動画は見ておきたい~・・・
一般に、著名人の名言や格言は、話す内容・ネタに困った際の格好の話材となります。ムヒカ氏の感動スピーチと比べてもらっては困りますが(苦笑)、スピーチ実例を急いでお探しの方に、少しでも参考になれば幸いです。
名言・格言を引用したスピーチ実例集(当サイト内)
こんな上司のもとで働いてみたい。こちらは、そんな「作業服姿のおじさん」が感動の渦を巻き起こすスピーチ動画。すごい人でありながら、親近感が伝わる感動のスピーチです。
【朝礼ネタ】植松専務の感動スピーチ ~“作業服姿のおじさん”にスタンディングオベーション~・・・
さて現実。
さすがに朝礼で「ムヒカ氏のスピーチ」を堂々と述べるわけにはいきませんが、その話し方・抑揚・表情など、細部に渡り「聞き手に届くスピーチ」としての学びがぎっしりと凝縮されています。
当番だから仕方なく話し、上辺のきれいごとを述べて無難に終わることが多い(と思う)日頃の朝礼。所詮、本気で思っていないことには、気持ちはこもりません。結果、聞き手にも伝わりません。
なら、ほんの些細なことでも、日頃真剣に感じている自分なりの問題点を、本気で身振り手振りしながら伝えてみる方が、間違いなく建設的な朝礼になるはず。と、改めて感じた次第です。
自戒を込めて。
この記事をシェアする。あとで読む。
今ご覧頂きました『【朝礼ネタ】ムヒカ大統領「感動のスピーチ」 ~「世界で最も貧しい大統領」と呼ばれる理由~』が、お役に立ちましたら、ぜひシェアをお願いします。
あわせて読みたい関連記事です。
人気記事をチェック!
読みたい記事を一覧から探す。
Facebookページ/Twitterで最新情報をチェック
コメントフォーム