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【朝礼ネタ】土用の丑の日 ~土用とは? 丑の日とは? なぜウナギ?~
今回の朝礼ネタは「土用の丑の日」。毎年、7月下旬が近付くと必ずと言っていいほど話題となる「土用の丑の日」。
丑ってウナギって読むんだっけ?と勘違いしてしまいそうになるほど、ウナギがあらゆるメディアに登場。
1人でも多くの奥様にウナギを手に取ってもらえるよう、1人でも多くのお父さんたちにうな重を食べてもらえるよう、ウナギに関わる人たちが必死になるこの時期。
一方で、
丑(うし)の日なのに、何で牛を食べないの?
平日の日もあるのに、何で土曜なの?お子さんからこんな絶妙な質問を受けたことのある親御さんも、案外多いはず。
改めて、「土用とは?」「丑の日とは?」「なぜウナギ?」を簡単に説明してみようと思います。
土用の丑の日の「土用」とは?
土用とは五行に由来する暦の雑節(ざっせつ)です。
これで理解できる方は、そもそもこのページに辿り着いていないであろうことを前提に、もう少し説明を進めます。
改めて、
土用とは五行(※1)に由来する暦の雑節(※2)で、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつのことを指し、各土用の初日を「土用の入り」と呼び、最終日が「節分」に当たります。
※1「五行(ごぎょう)」
古代中国に由来する自然哲学の思想で、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説。
※2「雑節(ざっせつ)」
四立などの二十四節気(詳しくはこちらを参照)や五節句(「5月5日端午の節句」など)といった、季節の節目を表す暦日の他に、季節の移り変りを更に適確に把握するために設けられた暦日のことで、「土用」の他、「節分」「彼岸」「八十八夜」など、全部で9つある。
土用は年に4回あるわけですが、ウナギ業者の頑張りのおかげか、
土用と言えば「夏の土用」を指すことが一般的になっているようです。
つまり、夏の土用に当たる日付は、立秋(年により変動、8月7日または8月8日)の前日約18日間ですので、概ね、7月19日~8月7日前後ということになります。
土用の丑の日の「丑の日」とは?
牛の日ではありません。
牛丼や牛カルビ定食などを食べる日ではありません。念のため。辞書で「丑」を調べます(goo辞書使用)。
1 十二支の2番目。
2 方角の名。北から東へ30度の方角。北北東。
3 時刻の名。今の午前2時ごろ、およびその後の2時間、または午前2時前後の2時間。
4 1にあたる年や日。
5 陰暦12月の異称。
ご覧の通り「牛」は登場しません。
「丑」の字自体には、本来「牛」の意味はありません。
ではなぜ、「丑」を「うし」と読むようになったのかを見てみます。
日本では、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)と言えば、12の動物(辰=龍は微妙)でお馴染みですが、十二支それぞれの文字の原意には諸説あるものの、正確には不明とされています。
そして、この古代中国で考案されたとされる十二支は、元来、年月日や時間、方角などを表す記号のようなものとして使われ、動物とは無関係だったようです。その後、
十二支を覚えやすくする目的で、身近な動物を割り当てたという説が、有力説となっています。
少々、端折った説明になりましたが、「丑」を「うし」と読むようになった経緯は以上の通りです。
そういえば、身近な動物イヌも漢字にすると「犬」「狗」「戌」の3つがありますが、「戌」は「丑」の仲間で、「犬」は「牛」の仲間というわけですね。 ん、「狗」は? ⇒
犬の雑学(余談です)
・・・
では、「丑」を踏まえ「丑の日」の説明に入ります。
前述辞書の引用4に「1(十二支の2番目。)にあたる年や日。」とある通り、古来の暦においては、日付も十二支の順(12日間で一巡)で表されていました。
【例】1月1日が「丑の日」だとすると、1月2日は「寅の日」、1月13日が再び「丑の日」となります。
つまり、
約18日間ある土用の期間中、「丑」に当たる日が「土用の丑の日」です。
また、当然、土用の期間中に「丑の日」が2回ある年もあり、その場合は、1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」と呼びます。
なお、「二の丑」がある年だからといって、うなぎ屋が2倍儲かるほど世の中は甘くないようで、「二の丑」はあまり盛り上がらないそうです。
土用の丑の日はなぜ「うなぎ」?
土用の丑の日にうなぎを食べる習慣の由来については、これも諸説あるようですが、エレキテルで有名な幕末の学者、平賀源内が発案したという説が最も有名。こんな逸話です。
商売がうまく行かない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の所に相談に行った。源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、その鰻屋は大変繁盛した。
その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したという。丑の日と書かれた貼り紙が効力を奏した理由は諸説あり定かではないが、一説によれば「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習があったとされ、鰻以外には瓜、梅干、うどん、牛肉(うし)、馬肉(うま)などを食する習慣もあったようだが、今日においては殆ど見られない。
「本日丑の日」の貼紙。「うなぎ」などどこにも書かれていない貼紙で大繁盛…。
それこそ、民衆が鰻屋に貼ってある「丑の日」を見て「うなぎの日」と勘違いしたのかも。
平賀源内に相談にいったのが鰻屋じゃなくて、そば屋だったら、今頃そば屋が書き入れ時になってたかもしれませんねー。
朝礼ネタ・会話ネタとしての「土用の丑の日」
例えば、立秋(8月7日頃)前後に、
“暦の上では秋が始まる立秋だというのに、毎日やばいくらいの暑さですね~”
といった朝礼スピーチの出だし。年配の方に多い傾向があるかもしれませんが、定番です。
上でもリンクを貼りましたが、改めて目を通されておくと、ちょっとした会話の中でも応用がきくと思います。
【朝礼ネタ】二十四節気 朝礼スピーチの定番文句「暦の上では〇〇ですが~」また、土用の丑の日のように、「〇〇の日」というのは、時期に見合った話材として、予め話す日付の決まっているような朝礼スピーチで、重宝するネタの1つです。
これについては、普段お使いの検索窓に「〇月〇日」と入力すれば、「へ~」といった情報がすぐに得られると思います。中でも、企業が定番商品のPRを兼ねて、商品名の語呂合わせで「(商品名)の日」(11月11日はポッキーの日など)としているケースなどは、自社の商品も同じように販促できないかといった提案含みのスピーチが出来て面白いかもしれませんね。
特定の商品名に限らず、もし、ちょっとしたクイズ感覚、遊び感覚のスピーチが許される職場環境でしたら、こんな使い方も。
“
「毎月22日はショートケーキの日」なんだそうです。”
カレンダーを見れば一目瞭然なのですが、どの月も「22日」の真上は「15日」。
上に「15」(イチゴ)が乗っている日、というわけですね。以下、お時間があればご参考まで。
【朝礼ネタ】面白いクイズを朝礼スピーチで引用してみる(スピーチ実例つき)・・・
うなぎの話でしたね。
嫁からもらう、なけなしの小遣いでは、うな重など到底手を出せるはずもない筆者ですが、今年の土用の丑の日、皆さんはいかがでしたでしょうか。
土用の丑の日終了直後にアップしても… という記事内容でしたが、鰻が食えなかった寂しさを少しでも紛らわそうと、備忘録として記事に残しました。
が、おかげで余計食いたくなりました(苦笑)
最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
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