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【朝礼ネタ】社会保険とは?と聞かれたら何と答えますか? ~給与天引きの裏側~

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【朝礼ネタ】給与からしれっと天引きされる社会保険料や税金の正体


社会保険一覧今回の朝礼ネタは「社会保険料と税金」。

早速ですが、タイトルの通り、社会保険とは? と聞かれたら、何と答えますでしょうか?

毎月の大事な給与から、しれっと天引きされている社会保険料や税金たち。迷惑な存在と感じつつ、総支給額と手取り額の差を嘆くのがサラリーマンの常ですが、その実体をよく分かっていない人も多いのではないでしょうか。

広義では4つ、狭義では2つの保険を指す「社会保険」(右図:クリックで拡大)ですが、今回は、その社会保険や税金の「面倒臭さ」「分かりづらさ」を踏まえた上で、あなたの給与明細を作成している側の人たちの苦労話と、その人たちに好かれるネタをお伝えします。





給与天引きの裏側と主役たち


給与計算事務を取り扱っている部署は会社により様々ですが、多くは「人事」「労務」「総務」部・課といったところでしょうか。

あなたの会社が社会保険完備であれば、給与計算事務担当部署のスタッフは、毎年6月から7月にかけては、日常業務に加え、こんな面倒な仕事を担っています(社労士や外部スタッフに一任している場合は除く)。

なお「社会保険完備」については、こちらで簡単に触れていますので、ご参考まで。

【朝礼ネタ】求人広告の疑問 ~週休2日制と完全週休2日制の違いは? 社会保険完備とは?~

健康保険・厚生年金保険 報酬月額算定基礎届(7/1~7/10まで)


健康保険料(40才以上は介護保険料も)・厚生年金保険料を算定し、年金事務所(旧:社会保険事務所)に届出します。

具体的には、「毎年4月・5月・6月に支給された給与の平均額(=報酬月額)」を求め、その金額を「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」(協会けんぽの場合はこちら)と照合し、全従業員1人1人の「標準報酬月額」を決定します。その決定された「標準報酬月額」に「保険料率」(都道府県ごとに異なる)を掛けた額が保険料となり、半分が会社負担・半分があなたの給与から天引きされます。

なお「報酬月額」は「毎年4月・5月・6月に支給された給与の平均額」とある通り、「発生ベース」ではなく「支給ベース」の給与をもとに算定され、ここで算定された保険料は、同年9月分(10月納付分)の保険料から反映されます。

また、この毎年4月・5月・6月の平均額で届出る月額報酬を「定時決定」と呼ぶのに対し、4月・5月・6月以外の月で大きな給与変動があった場合は別途届出を行わなければならず、その届出は「随時改定」と呼ばれます。

以上、毎年行う「定時決定」は全員が対象となるので届出書の作成が結構面倒で、「随時改定」は注意しないと忘れがち。「昇給随時」は、実績に応じて昇給が見込めるスタッフには歓迎な待遇ですが、給与事務担当者には悩みのタネだったりもするわけです。

労働保険料申告・納付(6/1~7/10まで)


先述の健康保険・厚生年金が従業員1人1人を個別に計算するのに対し、労働保険料は、前年度(4月~3月)に会社が全従業員に支払った賃金総額に基づき、会社としての納付額が確定します(従業員負担はありません)。

そして、労働保険料の申告は「前年度確定」と「今年度概算」を同時に行い、「概算」で納付した額は「確定」により、その差分が追徴・還付されます。

従業員1人1人の算定・照合が不要なので、申告は楽そう。と思うのは部外者の発想。
この申告書の記入・計算がやはり、しちめんどくさい。

もし、あなたの身近に手書きで計算されている担当者がいましたら、ぜひこちらを教えてあげてください。喜ばれると思います。

なお、先述の健康保険・厚生年金保険と異なり、労働保険料の算定に使う賃金は「支給ベース」ではなく「発生ベース」の額を用います

これを間違ったがために、提出先の労働基準監督署で、全部書き直しさせられたという、ほろ苦い経験をした人が、この記事を書いています。

住民税 特別徴収額の年度更新


住民税を給与の天引きで納めるのが「特別徴収」、自分で納めるのが「普通徴収」。給与所得者のほとんどが「特別徴収」で、社会保険料同様、所得税と並んでしれっと持っていかれる税金の1つ。

住民税は、毎年1月1日現在の居住地(住民票の住所)の役所から課税される税金。税額は、前年(1月~12月)の所得に基づいて計算され、特別徴収の場合は当年6月から翌年の5月までの12回に分けて給与から天引きされ、事業主がまとめて納付します。

なお、普通徴収の場合は、6月に役所から自宅に納付書が届き、6月・8月・10月・1月の4期分納(一括納付も可)となるのが一般的です。

この時期の給与事務担当者の仕事としては、従業員が居住する全市町村から送られてくる(従業員が多い会社はポストに溢れんばかりの封筒が届く)住民税決定通知書をチェックし、6月分からの天引き額を更新、各自の決定通知書を給与明細に同封するといった流れ。

実務的には、この決定通知書の元となる給与支払報告書の作成(年末調整時期に行う、各市町村への従業員所得の申告)とセットになっており、従業員の数が多ければ多いほど大変な業務となります。

なお、この「住民税決定通知書」。市町村毎、色とりどりで封筒のサイズもバラバラ、見事に様式が異なります。言い方を変えれば、様式を全国共通にするなり工夫をすれば、大幅に経費削減できるはず。

つまり、住民税徴収の過程自体に税金の無駄遣いを感じている給与事務担当者は少なくないと思う…

朝礼ネタ・会話ネタとしての「給与事務担当者への気遣い」


今回例に挙げた「健康保険料・厚生年金保険料」「労働保険料」「住民税」の算定期間・納付時期をまとめるとこんな感じ。
対象算定対象期間納付期間
健康保険料・厚生年金保険料4月・5月・6月9月~翌8月
労働保険料4月~翌3月7月(分納も有)
住民税1月~12月6月~翌5月

要するに「分かりづらい」ことが、よく分かります。

給与計算という仕事は、間違えば一大事、合っていて当然、と思われがち。給与事務担当者がノーミスで表彰されたという話はあまり聞きません。一方で、営業社員。「今月の売上目標○○万円やります!」と意気込むも、未達で終わる人も多い。そして実績優秀者の表彰はよくある光景。

営業にとっての目標達成と、給与事務にとってのノーミス。

どちらも「仕事をやり切った」ことに変わりはないのですが、片や褒められ、片や当たり前扱い。
になってませんか?

天引きされる社会保険料や税金を嘆くのもサラリーマンの嗜みの1つですが、その額を裏で必死に計算してくれている同じ社内のスタッフへの気遣いも忘れないようにしたいものです。

給与事務担当者にゴマを擦っても給与は上がりませんが、あなたの好感度は上がるかもしれません。「他部署の実務に関する気遣い・心配り」は、思いのほか相手に響きます。逆の立場を考えてみれば分かると思います。

あなたがもし、給与事務担当者だったら。

“遅くまで大変だね、ご苦労様。” と、

“遅くまで大変だね、この時期「月額算定」やら「住民税の更新」やら、結構忙しいんでしょ。
それをノーミスが当たり前みたいに思われるんだから、ホントつらいよね。いつもご苦労様。”


下心の有無は別として、どちらが癒されるかは言わずもがなですね。


 

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