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【朝礼ネタ】選挙の雑学10選 ~今さら聞けない選挙の疑問~

読了までの目安時間:約 14分

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【朝礼ネタ】国会議員の収入は?投票用紙の秘密とは?など ~選挙の雑学10選~


選挙今回の朝礼ネタは「選挙」。

「誰に(何党に)投票したか?」よりも「そもそも投票に行ったか?」の方が話題に上りがちな昨今の選挙。

投票率の低下に歯止めがかからない近年、選挙の話題と言えば、不平不満や愚痴が先行しがちですが、そんな時、ちょっと役に立ちそうな「選挙に関する雑学・豆知識」をまとめてみました。

では、選挙の雑学10選。あなたはいくつご存知でしょうか?





選挙の雑学10選


気になるネタだけ飛ばし読みでご覧ください。

  1. 解散が当たり前の衆議院議員 任期満了した回数は?

  2. 選挙の4原則とは?

  3. 投票所に一番乗りした人に与えられる特権 ~零票確認~

  4. 日本の投票率は高い方?低い方?

  5. 獲得票数が同じだった場合はくじ引きで決めるって本当?

  6. 獲得票数に小数点以下の数字?

  7. 「ウグイス嬢」が男性の場合の呼び名は?

  8. 投票用紙の特殊加工とは?

  9. 国会議員の収入は?

  10. 議員愛用のビニール傘「シンカテール」1本5,000円!?

  11. 朝礼ネタ・会話ネタとしての「選挙」


解散が当たり前の衆議院議員 任期満了した回数は?


大日本帝国憲法の下で初めて行われた第1回衆議院議員総選挙が1890年(明治23年)。そして、直近の解散(2014年11月21日アベノミクス解散)で第47回目を迎えた衆議院議員総選挙。

この47回の内、任期満了を迎えた衆議院はわずかに5回。さらに、現・日本国憲法下で行われ始めた1947年(昭和22年)の第23回から数えると、任期満了を迎えた衆議院は1回のみ(第34回三木内閣)です。

【参考】ウィキペディア「衆議院議員総選挙の一覧」

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選挙の4原則とは?


ごく普通の「常識問題」ですが、急に聞かれると案外答えられなかったりしますので、おさらいです。

① 普通選挙(年齢以外、財産や性別の制限がない)
② 平等選挙(身分等に関係なく一人一票を平等に扱う)
③ 秘密選挙(無記名投票)
④ 直接選挙(有権者が直接投票を行う⇔間接選挙)

余談ですが、アメリカ大統領選は、「大統領選挙人」が大統領を決める「間接選挙」です。
ですが実際には、その大統領選挙人を選ぶ一般投票の段階で、各々の大統領選挙人が「誰推し」かを明言しているため、実質的には直接選挙と変わらず形骸化していると言われています。

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投票所に一番乗りした人に与えられる特権 ~零票確認~


公職選挙法第三十四条は、「投票箱に何も入っていないことの確認」を規定しており、これを一般に「零(レイ)票確認」または「ゼロ票確認」と呼びます。

この零票確認に立ち会った選挙人に、署名を求める場合や、また最初の1人でなく最初の複数名で確認する場合もある等、投票所によって若干の差異があるようですが、この零票確認を体験したいがために早起きして投票所一番乗りを目指す有権者も少なくないとか。

公職選挙法施行令 第三十四条
投票管理者は、選挙人が投票をする前に、投票所内にいる選挙人の面前で投票箱を開き、その中に何も入っていないことを示さなければならない。

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日本の投票率は高い方?低い方?


衆議院議員総選挙の投票率が、アベノミクス解散を経て行われた第47回衆院選で過去最低の52.66%を記録。なお、現憲法の下(前述「選挙の4原則」の下)で行われた衆院選における過去最高の投票率は第28回(1958年)の76.99%

【参考】総務省「衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移」

では、日本の投票率は、世界と比較してどうなのでしょうか?

国際機関である「民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)」(海外サイトです)のデータをもとに、2014年現在の主要各国の最新データを比較してみます。

国により議会の構成や選挙の回数・目的・方法等が異なるため、一概には比較できませんが、「議会選」「大統領選」「EU議会選」の3つに分けられているIDEAのデータより、「議会選」のデータで比較してみます。

まずは、G7(先進7か国)を投票率順に。日本は…

イタリア    75.19%(2013年)
ドイツ     71.55%(2013年)
米国      67.95%(2012年)
イギリス    65.77%(2010年)
カナダ     61.11%(2011年)
フランス    55.40%(2012年)


改めて日本の投票率は、2012年が59.32%、2014年が52.66%。いうまでもなく…

続いて、投票率のきわめて高い主要国。

オーストラリア 93.23 %(2013年)
シンガポール  93.18 %(2011年)
ベルギー    89.37 %(2014年)


驚くべき数字ですが、これらの国には「義務投票制」が敷かれています。「義務投票制」を実施している国は意外に多く、罰則規定は「罰金」「選挙人名簿からの抹消」「選挙権の制限」から「入獄」まで、国により様々です。

【参考】ウィキペディア「義務投票制」

最後に、こんな国々。

スウェーデン  83.33%(2014年)
デンマーク   87.74%(2011年)
ノルウェー   78.23%(2013年)


「社会保障や福祉の充実」といった印象の強い北欧諸国。国民1人1人の国政参加意識が投票率に表れていると言えるのかもしれません。

改めて、半数を割り込む勢いの日本の投票率。有権者の2人に1人しか投票しない状態を民主主義と呼べるかどうかは微妙なところですが、「投票しない」も民意と言えば民意。政治への期待感の薄れ・無関心が加速している昨今です。

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獲得票数が同じだった場合はくじ引きで決めるって本当?


滅多にないことですが、実際に全くの同数だった場合は公職選挙法に従い「選挙長によるくじ引き」で当選人が選ばれます

公職選挙法 第95条の2
当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじで定める。

「くじに外れた者は欠員が生じた場合に繰り上げ当選の対象となる」という特権もあるようですが、いつ欠員が出るとも分からない状況で繰り上げ当選を待ち続けるというのも難儀な話。

まさに運命を決めるくじ引きというわけですね。

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獲得票数に小数点以下の数字?


前述「選挙の4原則」の1つ「平等選挙」に基づき、一人一票の原則があるにも関わらず、開票結果になぜか小数点以下の数字を目にすることがあります。

公職選挙法第68条の2に「同一氏名の候補者等に対する投票の効力」が規定されており、同一の氏名、氏又は名の候補者が2人以上いる場合において、その氏名、氏又は名のみを記載した投票は有効票として扱われ、その票は得票数に応じて按分するよう定められています。

例えば、3人の鈴木さんが立候補し、鈴木一郎さんが500票、鈴木二郎さんが300票、鈴木三郎さんが200票獲得。その正規の票とは別に「鈴木」と投票された票が10票あったとします。

この場合、等分であれば単純に3人に3.333票(小数点第四位以下切捨て、小数点第三位まで表示)ずつ加算されるわけですが、得票率に応じて按分されるため、一郎さんに5票(得票率1000票分の500票)、二郎さんに3票(1000票分の300票)、三郎さん(1000票分の200票)に2票が加算されます。

【参考】ウィキペディア「按分票」

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「ウグイス嬢」が男性の場合の呼び名は?


選挙が近付くと選挙カーが街を駆け巡ります。宣車ならぬ戦車などとも呼ばれる選挙カーですが、道路交通法施行令により、原則としてシートベルト着用義務が免除されています。

この選挙カーから聞こえてくる、ウグイス嬢の声。候補者本人に代わり美声で支援をお願いして回る女性。男性の場合は何と呼ばれるかご存知でしょうか。

選挙立候補者の応援演説や、選挙カーから候補者名や政策を連呼する活動が知られる。女性の場合、その声を鳥に例え「ウグイス嬢」と呼ばれる。男性の場合「カラス君」や「カラスボーイ」の俗称があるが、女性が一般的なのであまり使われない。

ウィキペディア「日本のアナウンサー 選挙関連」より 】

カラス君 カラスボーイ 俗称とは言え美声とはほど遠いような… カーカー…

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投票用紙の特殊加工とは?


投票所一番乗りに与えられる特権「零票確認」については先述の通りですが、普通に出向かれる方にとっては実に味気ない「投票」。

鉛筆を走らせる音が妙に響き渡るあの静粛な雰囲気の中に面白みを見い出すのは難しいところですが、投票用紙そのものに一度注目してみてください。

あの投票用紙は、森林資源の保全を目的に開発された原料に木材パルプを使用していない「ユポ」と呼ばれる紙。折り曲げても時間とともに自然に開く特徴があり、また、鉛筆でも実に書きやすいと感じる人も多いはず。

さすがに折った後、自然と開くまで見届けていると係の人に声を掛けられそうですが、このユポ紙ならではの特徴が開票作業の一助となっているようです。ただし、当然ながら折り紙には不向き。みるみると復元してしまうようです。

【参考】デイリーポータルZ「投票用紙の“あの紙”で折り紙を」

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国会議員の収入は?


国会議員の収入は一般に「歳費」と呼ばれ、国会議員以外の公職につく者の「給与」とは区別されています。と、呼び名はさておき、一体いくらもらっているのでしょうか?

歳費は、各都道府県で平均所得が異なる一般公務員や民間企業とは異なり支給額が一律であり、アメリカの議員で年額約1,700万円、イギリス下院は約970万円などの諸外国に対して、日本の国会議員は年額約2,200万円(手当てを含めた総額は約4,200万円)と世界最高水準と優遇されていることから議員特権であるとして批判されることがある。
ウィキペディア「歳費」より 】

・・・ 。

手当を含めた総額約4,200万円!?
手当の詳細はこちらでご確認ください。

【参考】マイナビニュース 「国会議員」がもらえる"給料以外"のお金って何がある?

秘書給与をしっかりと払っていれば、ウィキペディアの数字とおよそ一致しますね。

あなたもいかがでしょう?次の転職先に「国会議員」。
ただし、立候補は有料です。衆院選・参院選とも選挙区の立候補で300万円の供託金が必要。一定票(供託金没収点)に達しない場合は容赦なく没収されますので、覚悟のほどを。

【参考】ウィキペディア「供託金」

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議員愛用のビニール傘「シンカテール」1本5,000円!?


世界で初めてビニール傘を開発した企業をご存知でしょうか。

それは、ホワイトローズ株式会社という日本の企業です。そのホワイトローズ社が開発した高級ビニール傘は、議員や宮内庁の御用達となっている一品です。

1980年ごろ、ある東京都議会議員から「顔が見える透明で丈夫な傘がほしい」との依頼を受けた。その議員が言うには「雨の日に黒や茶の傘で演説をすると聴衆に圧迫感を与えるが、ビニール傘だと庶民性を感じさせるし、透明なので自分の表情も伝えられる」「ただしビニール傘は壊れやすいので、丈夫で大きなサイズにしてほしい」とのこと。それに答え開発されたビニール傘は「カテール」と名づけられ選挙用として発売されると口コミで議員の間に広まった。

さらに、園遊会が雨天だった際、自分も参加者がよく見え、また参加者からも自分がよく見えるようにと考え、透明の傘を皇后美智子が希望されたため、宮内庁から注文が入った。そこで開発されたビニール傘「縁結」は、2010(平成22)年10月28日の秋の園遊会で美智子によって使われた。

ウィキペディア「ホワイトローズ(企業)」より 】

シンカテール = 新・勝てーる?
キャッチコピーは「逆風に強い傘」「勝てる雨傘」だそう。
(リンク先は楽天です。興味がおありでしたらご参考まで。)

議員愛用「シンカテール」

宮内庁御用達「縁結(エンユウ)」

よくある「ビニール傘」

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朝礼ネタ・会話ネタとしての「選挙」


一般的に、初対面やあまり親しくない間柄の人との会話において、「政治」「宗教」「プロ野球」の話題はタブー視されることが多いようです。

【参考】「たちつてとなかにはいれ」の効果と副作用 ~初対面で会話ネタに困った時~

「選挙」=「政治」の話ではありますが、今回取り上げたこの手の「雑学・豆知識」なら、ちょっとした会話の潤滑油として重宝するかもしれません。

「誰に(何党に)投票したか?」では政治的な話に発展しそうですが、「そもそも投票に行ったか?」は政治そのものへの失望感、不満、愚痴等、憂さ晴らし的な共通の話題として盛り上がれそうな気もします。

・・・

選挙の時は冬型の気圧配置のごとく「声高頭低」。で、当選が決まればその逆。そんな議員にウン千万の歳費が支払われ、街角景気は一向に回復しない。これでは投票率の低下に歯止めがかからないのは当然です。

投票所で、ハワイ旅行や現金10万円が当たる懸賞でもやっていれば投票率も上がりそうですが、それも税金と考えればそんなことも言えないですしね。

景気。良くなるといいですねー。


 

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