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【朝礼ネタ】たかが健康診断 されど健康診断 ~明暗を分けた家内の婦人ガン検診~
今回の朝礼ネタは「健康診断」。通常、35歳を過ぎると年に1回、2択問題が課されます。
胃カメラ or バリウム初めての胃カメラで想像以上の苦痛を味わってしまうと、
あんなもの二度と飲むか!となりがち。
また、そういった恐怖体験をそばで聞かされた胃カメラ未経験者の方にも、もれなく変な先入観と恐怖心が標準装備され、せっかくの胃カメラデビューの機会と勇気を失いがちだったりもします。
それぞれを補い合う関係にある胃カメラもバリウムも、最たる目的は胃がんの早期発見。
バリウム検査で異常があった場合に、胃カメラで再検査するという流れが一般的と言われている通り、確定診断や治療と言った面では胃カメラに分があるようです。
ですので、先入観で胃カメラを毛嫌いされている方は、改めて「バリウムの苦痛」をおさらいしてみると、多少の気休めになるかもしれません。バリウムを飲めたあなたなら胃カメラも飲めます(多分)。
胃カメラに並々ならぬ恐怖心を抱くあなたへ…
「下剤を飲まなくて済む(健診後外回りの営業マンへの下剤投与は過酷すぎる…)」
「腕がプルプルするようなあり得ない格好をさせられなくて済む」
「発泡剤を流し込んでおきながらの『ゲップ禁止』という無茶ぶりをされずに済む」
なお筆者は、隔年ごとにバリウム・胃カメラと交互に受診しています。
と、冗談交じりの胃カメラの話題はここまでにして、ここからは少々重い話。
あなたが女性なら、あなた自身。あなたが男性なら、奥様か彼女。に、1つお伝えしたいことがあります。
婦人ガン検診 ~極めて低い日本の受診率~
婦人ガン検診は必ず受けて(受けさせて)ください。健康を過信している方ほど危険です。
数ヶ月、数年の遅れが命取りになります。うちの家内も…(後述)
会社勤めされている方は、会社で実施される健康診断のオプション等として婦人ガン検診が実施されることが多いようですが、ある程度の年齢(30歳や35歳)以上の方のみが対象となっていることが多く、一方で若い方を対象としている場合であっても、実際に若い方は
「自分は大丈夫」といった根拠のない過信や、
「何となく恥ずかしい」といった感情が先行し、受けずに過ごしてしまっている方が多いのが実状のようです。
多くの先進諸国の高い婦人ガン検診受診率(アメリカは8割超)に比べ、極めて低い数値となっている日本の受診率は、近年上昇傾向にあるとはいえ、いまだ3割前後と言われています。
初期以外は、「子宮全摘出」が原則
子宮頸がんは、進行度により、大きく「0(ゼロ)期」から「IV期」までに分けられます。
がんが見つかると手術になりますが、胎児を育てる子宮体部を温存する「子宮頸(けい)部円すい切除術」が行えるのは原則的には0期のがん。「再発リスクを考え、お子さんがいる、いないにかかわらず、I期になったら子宮を全摘するのが原則です」と安達先生。早期にがんを発見しないと、これから子どもを産もうと考えている人は、その機会を失ってしまいます。(安藤先生=愛育病院(東京・港区)の安達知子産婦人科部長)
【子宮頸がん意識調査】20~30代 「予防せず」2割(YOMIURI ONLINEより)
少々余談となりますが、会社の健康診断等で行われる、いわゆる集団検診は、精密検査とは異なり、簡易的な「スクリーニング検査」を目的としているため、場合によってはガンを見逃してしまう可能性もあると言われているようです。
スクリーニング検査とは
いわゆる"ひっかけ検査"。疑わしいものを全部拾い上げ、その中から本当に陽性のものを絞り込む戦略で、第一段階の検査をスクリーニング検査という。検査は鋭敏でかつ誤りがないことが理想。ところが両方を兼ね備えた検査法は少ない。鋭敏さを追求すると誤り(偽陽性)が入ってくるし、間違いないものだけみつける考えだと、見逃し(偽陰性)がでてくる。スクリーニング検査は、あくまでも見逃しができるだけないように、という所で納得するしかない。陽性や判定保留の場合、必ず確認検査を実施する必要がある。
【weblio辞書 より】
ですので、万全を期すためにも、会社の健康診断結果のみを過信せずに、定期的に医療機関を受診(市区町村の補助等もあり)された方がより確実と言えそうです。
なかには、
婦人ガン検診の無料クーポン券(厚生労働省)を受け取られた方もいらっしゃるかもしれません。
なお、対象年齢を限定して配布している無料クーポン券だけに、その存在をご存知ない方も多くいらっしゃると思います。受け取られていない方も、厚生労働省管轄のもと、各市区町村にガン検診窓口が常設されていますので、チェックしておくと良いかもしれません。無料クーポン券の詳細等もご確認頂けます。
市町村別 がん検診に関するお問い合わせ先(厚生労働省)
家内が子宮ガン検診で…
病気の「び」の字にも縁がない、健康優良体だったうちの家内。
最後に勤めていた職場を退職し、専業主婦となったのが30歳の頃。
会社の健康診断を受けることがなくなって以降、特に病気を患うこともなく5年が経過。
そして35歳の時、市から婦人ガン検診の案内がポストに入るも、当初無関心だった家内。
間違いなく家内より不健康な日々を送っていた筆者でしたが、筆者は一応会社の健康診断を毎年受診していることもあり、「何となく」受診を勧めてみたところ、家内も「何となく」それに応じた格好で、初のガン検診受診に至りました。
この「何となく」が明暗を分けることになるとは、その時、夢にも思いませんでした。
・・・
ご存知の方も多いと思いますが、子宮ガン検診の結果は一般的にクラスⅠ~Ⅴで判定されます。
・クラスⅠ:正常細胞(異常なし)
・クラスⅡ:異型細胞は存在するが、悪性ではない
・クラスⅢ:Ⅲa 軽度・中等度異型性(悪性を少し疑う)
Ⅲb 高度異型性(悪性をかなり疑う)
・クラスⅣ:悪性細胞の可能性が高い、あるいは上皮内ガン
・クラスⅤ:悪性と断定できる異型細胞がある
「大丈夫でしょ」と高をくくっていた家内に出た最初の検診結果が、
クラスⅢb。要、再検査。
そして、再検査の結果下された判定は、
クラスⅤ。
この時、「クラス」と「ステージ」の差など詳しく知る由もなく、家内は泣き崩れました。
「クラス」と「ステージ」は全くの別物です。ごく簡単に言えば、検診で採取した細胞の形態をランク分けしたものが「クラス」(確定診断ではない)、ガンの進行度合が「ステージ」(確定診断)です。
・・・
そして今、うちの家内。
・・・
元気です。
早期発見が功を奏し、前述の円すい切除術が間に合いました。
定期的に病院を訪れ、経過観察中の身ではありますが、おかげさまで至って健康です。
あの時「何となく」受診せずにいたら、完全に手遅れだったと医師に言われました。
たかが健康診断 されど健康診断
胃カメラとバリウムの二択。受診するかしないかの二択。
僕らは日常、様々な二択のいずれかを選択し、今に至っています。
健常者であれば普通、面倒だったり苦痛を伴う選択肢を排除します。当然だと思います。
たかが健康診断、されど健康診断。最初に胃カメラを引き合いに出しましたが、大病の早期発見に有用な検査ほど多少の苦痛を伴うものなのかもしれません。実は筆者も、初めての胃カメラで想像以上の苦痛を味わい、以降、頑なに胃カメラの選択肢を排除し続けてきた弱虫でした。
が、家内の婦人ガン検診を機に、胃カメラ・バリウムの交互受診に切り替えた次第です。
・・・
朝礼ネタやスピーチネタとして「婦人ガン検診の勧め」は、話題として少々重いかもしれません。特に男性がこの話題を持ち出すにはなかなか抵抗があるのも正直なところだと思います。
ただ、
年間約9800人が子宮頸けいがんにかかり、そのうち約2700人が死亡している子宮頸がん(前述YOMIURI ONLINE記事内より引用)。
他人事と看過するには、あまりにも大きすぎる数字です。
あなたの大切な人が突然、この数字に含まれても何ら不思議ではない。そういう数字です。
身近な体験話として話すことができない場合でも、「ひょんなきっかけで受けた検診でガンが見つかった知人の話」くらいなら、話す機会が得られるかもしれません。
・・・
子宮頸ガン発症のピークは30歳代だそうです。
大切な家族、大切なスタッフのためにも、周知の機会を持ってほしい朝礼ネタです。
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