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【朝礼ネタ】クールビズ ~今さら聞けないクールビズの雑学~

読了までの目安時間:約 10分

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クールビズの雑学 ~名付け親は? スーパークールビズとの違いは? 28℃の意味は?~


クールビズ今回の朝礼ネタは「クールビズ」。

まず最初に、クールビズ誕生の経緯を簡単に振り返ってみます。

2005年、当時の小泉純一郎首相が小池百合子環境大臣に働きかけたことにより始まった「クールビズ」。

環境省は、同年、地球温暖化防止のため、夏季のオフィスにおける冷房温度を28℃程度に設定することを広く呼びかける一環として、28℃の室温でも対応できる軽装(ノーネクタイ・ノージャケット等)を推奨。

環境省が想定するクールビズの実施期間は、原則として6月1日から9月30日までの4ケ月間で、いわゆる衣替えの時期と同一。ただし、東日本大震災により深刻な電力不足に直面した2011年・2012年は、5月1日から10月31日までの半年間で実施。

更に2011年からは、クールビズの普及強化を目的とした「スーパークールビズ」を推進。より一層の軽装(詳細後述)を勧めるとともに、皆で涼しい場所を共有する「クールシェア」の呼びかけを開始。

なお「クールシェア」には、こんな別の意図も。

家族で一つの部屋で過ごしたり、図書館等で涼むことで、夏を快適に乗り切るだけでなく、家族や地域の絆も深めます。

環境省「スーパークールビズの実施について」より 】

以上が「クールビズ(クール・ビズ、COOL BIZ)」の誕生経緯と概要です。ところで、「クールビズ」の名付け親はご存知でしょうか?




「クールビズ」の名付け親は?


2005年の新語・流行語大賞のトップテンにも選定された「クールビズ」。なお、同年の大賞に選ばれた言葉は「○○劇場」と「△△内(外)」ですが、○○と△△、覚えてますでしょうか?

【ランキング】流行語大賞歴代トップ10 ~新語・流行語大賞のちょっとした雑学~

で、「クールビズ」の名付け親は、当時の小泉純一郎首相でもなく、小池百合子環境大臣でもなく、一般人。2005年4月に行われた一般公募で、約3000件集まった作品の中から見事受賞を果たした東京都立川市在住の田形英明さんです。

( 参考 ⇒ 環境省「夏の新しいビジネススタイル」愛称決定について

当時、田形さんを取材した記者によれば、田形さんはスーツ姿で、もちろんネクタイ着用。「ネクタイを外すことが慣例化するなんて、無理な話。クールビズも来年は『死語』になっているかも」と苦笑いだったようです。

( 参考 ⇒ 日刊スポーツ記者コラム「見た 聞いた 思った」

今では普通に辞書にも載るようになった「クールビズ」。今思えば、流行語大賞を受賞しても不思議ではなかった言葉。やはり、名付け親本人の言葉に代表される通り、当時はなかなか素直に受け入れられない人・企業が多かったように思います。

「クールビズ」と「スーパークールビズ」の違い


「スーパークールビズ」を辞書で引くとこう書いてあります。

環境省が推進する節電・地球温暖化防止のための取り組み。東日本大震災に伴う節電の必要性を受けて、クールビズの取り組みをさらに徹底したもので、平成23年(2011)の夏期に実施。

省内でのポロシャツアロハシャツスニーカーの着用を認め、TPOに応じてTシャツジーンズなどの着用も可とするなど、従来のクールビズよりも一歩踏み込んだ軽装を率先して行い、企業・団体等に対して暑さをしのぐ工夫を呼びかけた。

goo辞書「スーパークールビズ」

ちなみに、ランニングシャツ、サンダルはOK?NG? ⇒ 環境省「クールビズの服装の可否」

ただ、いくら省内でOKと言われても、普通の会社員としては、自社のルールや空気を優先せざるを得ないのが実情。一時期、アロハシャツ姿の首相を度々テレビで見かけることがありましたが、あれを見て「じゃあ俺も、私も」と、実際にアロハシャツで出勤された方はなかなかいなかったと思います。

クールビズ10年目を迎えた2014年1月に行われた環境省の意識調査によると、「クールビズ」の認知度は9割を超えたようですが、ポロシャツやアロハシャツを推奨した「スーパークールビズ」の認知度は6割程度に留まっているようです。

人事担当者から「クールビズでいいよ!」と言われて困る就活生


採用面接にもクールビズを取り入れている企業が、年々増加傾向にあるようです。ですが…

「『クールビズで選考にお越しください』と言われた時、どのような格好で参加します(した)か」と聞くと、「スーツ着用」が56.3%と「クールビズ」の43.7%を上回った。

Business Media 誠 より 】

ネット上では就活生たちのこんな叫び…
面接案内時の人事の人
「クールビズでもいいよー」

面接当日の幹部
「なんでスーツじゃないの?TPOを弁えろよ」
スーツで行けばノーリスクノーリターン
クールビズで行けばハイリスクノーリターン
そりゃスーツで行くだろ
こんな罠もすり抜けなくちゃいけない世の中
スーツで来たら落としますぐらい言え

クールビズが定着してきた世の中とは言え、アンケート結果が示す通り、就活生にとっては判断に迷うところ。一方で、敢えてクールビズ(軽装)で来社させることで、その着こなし・センス・身だしなみを選考に加味する企業もあるというから、まさに「罠」。

最近の若者たちは、昔の若者たち(今のおっちゃん・おばちゃん)より、何をするにも空気を読む傾向が強いなどと言われていますが、クールビズトラップはさすがに気の毒に思えます。

【朝礼ネタ】「最近の若者」って何歳のこと? ~O2O時代の主役たち~

「クールビズ」と「28℃」と「熱中症」の関係


暑さ指数が28℃を超えると熱中症患者が著しく増加すると言われています。
なお、暑さ指数は「気温」とは少々異なります。

暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。

単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。

暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた指標です。

環境省熱中症予防情報サイト「暑さ指数とは?」より 】

暑さ指数を求める上で圧倒的に重要な要素になるのが①の湿度で、①:②:③=7:2:1 となっており、同じ気温でも、湿度の高い日の方が汗が蒸発しないため、熱中症になりやすいと言われています。

つまり、クールビズを実施していても、湿度が高い日・場所は特に注意が必要と言えるわけです。

なお、熱中症に関する対処法や雑学について、こちらにまとめていますので、お時間がありましたらご参考になさってみてください。

熱中症対策・応急処置 ~熱中症・熱射病・日射病の違い、分かりますか?~

朝礼ネタ・会話ネタとしての「クールビズ」


地球温暖化を防ぐという大義名分のもとスタートしたクールビズ。当初の民間企業の反応は実に様々。

  • 2005年および2006年、トヨタ自動車は調達部門を通じ、取引先企業に対して来訪時のノー上着・ノーネクタイの徹底を文書で要請した。

  • 当初、ネクタイ業界からは、売り上げの減少に繋がる、として批判の声が上がった。

  • クールビズが提唱された当初、朝日新聞はクールビズを批判する内容のコラムや読者投稿を何度も紙面に掲載した。その主な内容は「みんなが軽装にするから自分もそれに合わせよう、という横並び思考は格好悪い」という理由によるものだった。

ウィキペディア「クールビズ 実業界・企業等の反応」より 】

クールビズの浸透が最も影響を与えたといわれるアパレル業界(特にネクタイ業者)では、廃業に追い込まれた企業、柔軟に対応した企業、業績を大幅に伸ばした企業と、明暗が分かれたようです。

当時の小泉首相は、2001年の所信表明演説でダーウィンが示したとされる(※)「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」を引用しています(首相官邸「第百五十三回国会における小泉内閣総理大臣所信表明演説」の“むすび”)。

(※この言葉自体、実はダーウィンの言葉ではないといった説が強いため「される」と表記)

痛快な小泉劇場はこうして開幕。クールビズの発想も小泉首相ならではとうなづけます。とは言え、当時、ネクタイ業者にとってクールビズが死活問題であったことは容易に想像がつくところです。ただこれ、対岸の火事と見過ごすことなかれ、かもしれません。

ただでさえ変化の激しい昨今、法改正や政府のひと声に限らず、顧客ニーズの変化よって、いつ何時自社の主力商品の流通が激減しないとも限らない世の中です。「変化への対応」という発想・問題意識は、常に持っておきたいものです。

『クールビズでネクタイ業界が痛手を被ったというのは、容易に想像できると思いますが、もし、うちの商品も何らかの規制で突然売れなくなったとしたら、皆さん、どう対応すべきだと思いますか?』

非常に難しい質問ですが、多くの会社が抱える非常に重要な課題です。自戒を込めて。

・・・

最後に、誰もが知るある有名な人物の言葉です。

「地球を動かしているのは思想ではなくて経済だ」
「財政の独立なくては思想の独立もなく、行動の自由もない」

経済が止まれば国も止まる。そして地球も止まる。経済活動を抑制するような思想(政治)は本末転倒。現代社会にもピタリと当てはまる、何とも深い言葉。

2つとも、日本で最初の株式会社を創った、坂本龍馬の言葉です。


 

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